マンガ

2012年02月20日

女の穴を読んでアイロンかけてクラブジャズを聴いてますます眠れなくなった。

おいっす。


  

今日買ったのはこの2冊。

ふみふみこ 「女の穴」
石黒正数 「外天楼」

話題作は読んでおかないとな、という誰に頼まれたわけでもない使命感に駆られて、つい。

「女の穴」というエロいタイトルだけど、中身は相当エグい。
でもグロってことじゃない。
男にとって女の思考というのがいかに理解出来ないものなのか、という点において興味深くもあり恐怖ですらあるという意味で。
可愛い絵をして突拍子もなくSFだったり、オカルトだったり、そしてもちろんエロくはないあからさまな”性”だったりするあたり、センチメンタルな生き物の男としてはまるで女子高の休憩時間に忍び込んだような「想像してたのと違う!」というあけすけガールズトークにあてられてうなされそうな気配すらある。
すらあるけども、やっぱりどこか憎めない、なんて感情が残っていたりするのも、また男の性。
なんだかなぁ。
ドキッとさせられ、ギクッとさせられ、読んだことを後悔するくらいリアル。
ある意味。

「外天楼」は「それでも町は廻っている」の作者が真正面から挑んだ推理漫画。
「それ町」もその風味なんだけど、あれはキャラ勝負のところがあるから。
こちらは短編の形をしていながら…、あ、それ以上は言うまい。
推理モノの解説はご法度だわ。
まあよく思いつくわ、という事件とその推理力。
短編だから小ネタなんだけど、なるほど!と手を打たせる謎解きの楽しさが詰まっていて、その上ついつい爆笑もしてしまう笑いのセンスも十分。
九龍城をモチーフにしたかのような、無法者たちが棲むスラム街「外天楼」近辺のストーリー。
1話目は捨てられたエロ本をめぐる微笑ましい少年たちの話だけど、徐々に性と生、ロボットに関する倫理観や家族の絆、とか出生の秘密みたいなところまで展開して行っちゃって、たどり着いたところは全く別の場所だったりする。
軽く期待を裏切られるというか、思ってもみなかった展開に舌を巻かざるを得ない。
しかし、このエンディングに救いはあるのか?
これも思いがけず濃いマンガですな。


こんなの読んでちゃ、いくらカモミールティー飲んでもまったく眠くならんわ。
どうしてくれんねん。
しかたないので1週間分のワイシャツにアイロンでもかけようっと。
ん、毎週日曜日の夜中の恒例ですが。
それならと、自分を取り戻すために昔作ったコンピCDでも聴きながらやろうと取り出したるのがこちら。

United Future Airlines :United Future Organization
DISCOTIQUE MURPHY'S THEME :SHD 3000
BEATITUDE :JAZZ BROTHERS
Feel the air(e-disco vocal mix) :Jazztronik
trip to rio :cubismo grafico
scheme supreme :spiritual vibes
Um :LOSFELD
YOUNG GUYS ALWAYS THINK ABOUT SOMETHING :tokyo no.1 soul set
HAN-TOME Flutemental :MURO
FALL OF IGNORANCE :LOVE T.K.O.
Touch and Go(Soul Bossa Trio Remix) :Soul Bossa Trio
Beautiful Days :Fantastic plastic machine
WEEKEND :SUGIURUMN

そしてもう一枚。

SUN SONG '70 :YOSHINORI SUNAHARA
Dizzin' :Jazztronik
LOVE SQUALL(M&M Bossa Bass Space) :MONDAY MICHIRU
Up to you! :cubismo grafico
Arms of the black sky(Cruel Entertainment Remix) :ELI+HIROSHI
IT'S A MIRACLE :EGO-WRAPPIN'
mrs cooper :CUVA CUVA
yureteru :Bebe
Souffles H :MONDO GROSSO
Story Ends? :cubismo grafico
Dear boy :JuJu KNEIPP
JEMIMA :LITTLE TEMPO
c'est vous sur le pont :Sunaga't Experience
NIGHT GUITAR :TICA

あ痛たたたた。
これはイタイ。
いつ作ったんだろ?
2001年?よく憶えていません。
だとすると今から10年以上前ですが、どんだけクラブジャズ好きだっちゅうねん。
よくもまぁ飽きずに同じような曲を並べたもんだわ。
ある意味今より大人びた選曲ですが。
ダンスに特化するわけでもなく、ラウンジに徹するわけでもなく、ただミーハーな時代の空気がそうさせた。
今は後悔して…いない!
この時代があったからこその今。
を生きている実感。
開き直って懐かしみつつ、真夜中にちょっと小踊り。

抜粋


United Future Organization - United Future Airlines


Cubismo Grafico - Trip To Rio


SUN SONG '70 : Yoshinori Sunahara


Mondo Grosso - Souffles H


JuJu KNEIPP - Dear boy


須永辰緒 - C'est Vous Sur Le Pont


センチメンタルで胸キュンな曲が好きってところは不変だね。
さあ、明日を生きよう。




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2012年01月13日

輝く!「オレアワード2011」マンガ部門の発表です。

おいっす。


輝く!「オレアワード2011」

ですか?
こんなタイトルだっけ?
でも、ま、続けようじゃないか。
最後はマンガ。

第5位


松本大洋 「Sunny」第1集 (IKKI COMIX)

おとぎ話じゃないのに、リアルでシリアスな物語なのに、どこか寓話チックになるのがこの人の特色。
その手法は鉄コンでもピンポンでも吾でも同じ。
なのに引きこまれるのは、引きの画とアップの画のバランス。
ちゅうか実に映画的な、いや映画以上に映画的なカットのテンポの上手さに尽きる。
決して新しくはないけど、安心、満足の出来栄え。


第4位


福島聡 「星屑ニーナ」1巻 (ビームコミックス)

こりゃ2010年か?
2巻が2011年だからいいっしょ。
この、なんちゅうか喪失感。これが半端ない。
過去に生きた人間の幻想で延々引っ張るノスタルジアに次第に胸焦がれる。
得ようとしても得られないじれったさと、もう手に入らない美しき思い出の中に生きる人々(&ロボット)の悲哀。
未来の話だけど、昔話の懐かしさとセツナサを併せ持つ傑作。
もっともっと評価されてもいいとおもう。
ニーナのかわいさはどんなマンガのヒロインよりも群を抜いている。


第3位


地下沢中也 「預言者ピッピ」(2)

まさか2巻が発売される日が来ようとは思ってもみなかった!
と言えば失礼極まりないが、面白さの半面、広げた風呂敷の畳み方が今世界一気になると言っても過言ではない歴史的金字塔。
かわいらしい絵とグロテスクにならざるを得ないストーリー展開。
そして見えざるものへの畏怖。
いがらしみきおの「アイ」と並んで、他の作家が描きたくても描けない”人間の尊厳”やら”業の深さ””神という名の得体の知れない何か”を真っ向から抉り出そうとする心意気に感嘆する。
と同時に手に汗握るドラマチックな展開で話にグイグイ引き込む演出、読む者すべてをその世界の一部に取り込む手法は、狡猾と表さず天才と呼ぶべき。
3巻はいつ出るのかなぁ。


第2位


しりあがり寿 「あの日からのマンガ」

2011年を語る上で避けては通れない。というかいまだに継続中の、いや、未来永劫この問題と対峙せずにはいられない世代に送るバイブル。
これを読んで、泣いて、笑って、唖然として、死にたいと思って、そして何としてでも生きなきゃ!と考えさせられる。
この時期に真正面からマンガというメディアでここまで意思表明した氏の心意気にも拍手を送りたいし、意思決定を先延ばしする(延命する)メディアの隙を付いての発表もお見事。
この先を生きるすべての人間が一度は読むべき黙示録。
なのに痛烈で爆笑させられてしまうって、どう?
誰が選んでもランキング上位は間違いない。
読み終わった後、しばらくは放心状態でしだいに涙が滲んだ、なんて経験はいまだかつてなかった。


第1位

25時のバカンス
市川春子 「25時のバカンス 市川春子作品集(2)」

前作「虫と歌」が各所で絶賛された市川春子の短編集2作目。
前作が決してまぐれではなったと思わせる独特の世界観の構築が何よりも素晴らしく、この少女マンガチックな繊細な画で惑うことなきSFミドルウェイを語るというギャップが読むものを魅了して止まない。
まったくもって細くて美しすぎる男子像とか、目眩も覚えるくらいの少女の空想域からは離れないのだけど、それだからこそ描ける繊細な物語というものが、異世界恋愛ものとして目新しくも懐かしい。
なんかこの人のマンガを読むと手塚治虫を連想しちゃうんだよね。
ほとんど手塚マンガを読んだことはないけれど、どこかしら手触りがそんな感じがする。
説明的ではなく散文的な語り口調もイマジネーションを膨らませ、想像力の海に放り込んでくれる。
隙間だらけだけどその隙間すべてに意味があるようで気が抜けない。
にもかかわらず、あまりにも心地良いのでその波に身を任せて気が付けば沖合いまで漂ってしまっている。
美とグロ。
生と死。
根底に流れるテーマはいつも同じ。
だけどもまだまだ進化しつつも、いつまでも新鮮さを失わないというのは奇跡に近い。
朝でも夜でも、夏でも冬でも、あなたが落ち込んで塞ぎこんでいようと、意気揚々と未来の話をいまや語ろうとしているときでも、あらゆる時、場所にもマッチする。
そしてこの先、時代がどう移ろおうとも扉を開けば間違いなく引きこまれる永遠のスタンダード。
ちょっとせつなく、抱きしめたくなるようなビターハーフなおとぎ話。
文句なしで1位です。
なんなら死んだとき棺桶に入れてもらってもよいよ。


とまあ、ある意味無難なランキングですな。
どこでも絶賛されてる作品ばかりですね。
やっぱりどこかで死の影が透けて見えちゃってる作品ってのが2011年の特色かな。
それを真正面から描いてもウザいだけでなので、それをどう間接的に(詩的に)表現するか。
辛すぎる現実から逃避した先に落ちてた空想物語に飛びついたら、現実よりもっと辛辣だった。びっくりした!
みたいな。
とりあえず明日を生きるならば読んでおいて損はしない作品たち。
昔のマンガをかなり古本屋に処分をしている今のオレが本棚にしまうことを決定したこれら。
気になったら手にとってみてみてください。
そして明日の経済を回そうではないか!
なぁ諸君。
(偉そうだなおい)


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2012年01月08日

昨年の話題作(マンガ)を読んでみた。

おいっす。


さて、いつものように午前4時がやってまいりましたよ。
こんな時間に何してんだと、よくも起きていられるものだと、驚かれることもあるのですが、驚くも何も、飯食って気絶しておぉ寒っって目が覚めるのがこの時間ってなだけだよ。
歳をとるとトイレも近いわけで。。
初老乙。

でも今日は12時くらいから起きてたかな。
それから寝てない。
何をしてんだって話ですよ。
それを今から話そうって話ですよ。
別に話そうってほどの内容でもなく、書けば一行で終わっちゃう話ですよ。


  →   →   → 

九井諒子 「竜の学校は山の上」
鬼頭莫宏 「なにかもちがってますか 1」
鬼頭莫宏 「なにかもちがってますか 2」
いがらしみきお 「I(アイ) 第1集」

これを読んでた。
真夜中に雪明りで読書するなんて、なんて蛍の光!
ん、ぜんぶマンガだがな。
マンガしか読まんがな。
雪なんていっこも降ってねぇし。
「もちがって」は違うけど、「竜」と「アイ」は雑誌などで2011年のベスト10位以内に入っていたりするから、とりあえず押さえておこう、と。

なるほど「アイ」は絶賛されるわけですね。
いがらしみきおは大好きで、「ぼのぼの」は全巻持っているし、「かむろば村へ」も興味深かった。
この「アイ」は「かむろば」の続編ともいえる、共通のテーマ、共通のシチュエーションで描いた連作ともいえる内容です。
ですが、こちらは、破格に恐ろしい。
「ぼのぼの」たちのほんわりしたキャラクター画とうって変わって、実にリアルでおどろおどろしい。
ぼので例えると、アライグマくんのお父さんが怒り心頭で眉間に縦じわ横じわくっきり浮かび上がらせた表情、に近いかな。(遠いわ)
テーマは「神探し」。
と聞くと重そうですが、実際はもっと重い。
夜中にこうしてモニタに向かってカチャカチャしてるでしょ。
そのときふと後って気になりません?
背中の後の死角となっているところ。
自分の見えないところで何かが動いているのではないか。
見ていないところに何者かが潜んでいるのでないか。
そう思うことってあるよねじっさい。
すわっと振り返っても誰もいないし、クッションの上に脱ぎ捨てられたパーカーとかが転がっているどけなんだけども。
でも見えないところに何かある気がする。
でも見ちゃうと何もない。
でも何かありそう。
きっとある。
見える → 生
見えない → 死
見るとそこには世界がある。
だけど見えない何かも確実に存在する。
振り返ったテレビから白装束の女が這い出てきてたら、そりゃ笑っちゃいますが、見えた時点でそれは世界の一部となる。
見えないから恐れるわけで、見えると計算できるもの。(世の中には物理で証明できない事象もあるそうですが、それとはまた次元の違う話)
だから夜は恐ろしい。
恐ろしいから、その恐ろしさを気にしないように人は”眠り”という行為をするのだ。
眠りは”死”に限りなく近い。
眠っている間は世界はそこには存在しない。
怖いから寝るという行為も実はその恐れている”死”の仮想体験だったりするあたり、皮肉というかユーモアがあるな、とか思うわけです。
(物理的というか動物学的に言ってしまえば、眠りの解釈もまた異なりますが、それもまた違うお話)
見えないところにいるもの = 神
その神を探す旅の話です。
テーマは壮大で漠然としすぎていますが、東北弁で語られる台詞や昭和30~40年代の田舎の風景などからはリアルさが滲み出てきています。
こんな日本の山の中に神はいるのか?
ま、神なんてどこにでもいるわけで、というか、見えない何かを神と呼ぶのであれば、きみやあなたの側にもぺったりとそれは貼り付いているわけで。
どこを旅するかなんて関係ないのです。
この感覚は「ぼのぼの」の初期にも感じていたものと同等。
癒し系の動物たちがナンセンスでシュールなギャグを展開する4コママンガの体はしているけれど、その端々から生と死の香りがどことなく漂ってくるという。
観念的で哲学的で、それをギャグマンガとして表現できる才能に驚愕したのを憶えています。
そのテーマに真正面から挑んだ力作が「アイ」。
まだ1巻しか出ていませんが、決着がつけられるのか、結論が出るのか、それはモヤモヤした消化不良の締め方ではなく、万人が納得するものなのか。
万人は納得しなくてもオレだけは納得させてもらいたいものです。
期待。

「竜の学校」は発想がユニーク。
竜が家畜のごとく普通に存在している日本で、今や利用価値の薄いその竜をどうやって保護するのか、コスパ面から考えようではないか、とかの発想ってどこから来るの?
他にも馬人(ケンタウロス)と猿人(人間)が共存する世界とか。
ケンタウロスがフツーに満員電車乗ってるんだぜ?
電車と競っても同じくらい走れるのにだ。
天使のような羽の生えた高校生がフツーに進路について悩んでいたり。
その羽が生えているってのは自然なことで、ちょっとした得意能力くらいにしか認知されていない世界。
SFですね。
でも語り口調がとてつもなくスムースというか、当然そこに存在するかのように描かれているところがミソ。
魔王についての連作も、RPGの設定を外から眺めて再構築したようで、魔王を倒した後の世界は実は支配されてた頃よりももっと不幸だった、なんて着想がビターで面白い。
しかし、ま、こういうことを描ける人って、実際のところ実社会においてどんな感じの人なんでしょうか?
脳内に世界が出来上がっているから、他人から見れば”不思議ちゃん”なのでしょうか?
きっとそうに違いない。
でもそれって今じゃ褒め言葉だよね。
いくら地位や名誉、仕事力があって出世している人でも自分の脳内に特異なストーリーを持っていない人は信用できないわ。
光が強ければ強いほど影は濃くなる、はず。
その影に自覚的であるか無自覚であるか、または意識的にコントロールできるかできないか、が大事。
マンガでも小説でも音楽でも映画でも絵画でも彫刻でも写真でも、きちんと形にして表現できる人って素晴らしいし尊敬します。
その点においてこの「竜」は無自覚っぽいところが、いかにもインディロックバンドにも近い感触で好感が持てますね。


ってところで読書感想文おわり。
続いて、「オレアワード2011」のマンガ部門の発表を…と思っていたけど、こんなにも文字数を稼いでしまった!
一行で終わるとか言っておきながら!
そうでなくても話が長い、会社でもメールを書かせると文章が長すぎて読んでもらえないオレですから、これはまた次回に繰り越しってことでグッナイ&グッモーニン。


今日の一曲


CANT - Believe (Official Video)

見えざるものの具現化。
ってか空想科学分野のリアル世界への張り出しの象徴UFO。
ちゅうか、それヘリコプタだろ!飛行船だろ!電灯だろ!
ってなツッコミもあり。
見えた時点であんま怖くない。
信じるか信じないかはあなた次第。



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2011年12月24日

クリスマスにぴったんこすぎて暗黒面に堕ちた。

おいっす。


ジングルベールジングルベールスズガナル 
というわけで今日はクリスマスイヴ。
なのか?
世間は?
もうみんなしねばいいのに。

といつものように一発呪いの言葉を吐いて今日も絶賛生きているオレですよ。
クリスマスの3連休も中日が終わりそうです。
外に出ようもんなら即冬眠モードに入ってしまいそうなので今日もユルユルとおうちでまったりしてしまったり。
なんだかぁ。
クリスマスイヴって世間は浮かれてんの?
そうでもないよね。
でもそうでもないよね。
なんかウキウキしちゃうところあるでしょ?
街ゆくカップルはみんな勝負下着つけてんでしょ?
家じゃあチキンを焼いてイチゴの乗った白くて甘いやつを食べるんでしょ?
サンタさん来るかなぁ、良い子にしてないとプレゼントもらえないぞぉ~。
ってリボンの付いた箱を押入れにもう準備しちゃてるんでしょ?
なるほどなるほど。

そんな中オレは心落ち着けてじっくり読書の一日だよ。
そう、聖なる夜にうってつけのものを読んだよ。

 
古谷実 「新装版 ヒミズ 上下巻」

もうね。

死にたい

気分に存分に浸れますよ。
よりによってこんな日に読まなくても、ってくらいヘヴィーでドロドロで一条の光さえ射し込まない深海ですよ。
園子温による映画が来年1月に公開だもんで新装版が出てるの。
稲中以降の「暗黒クライム古谷」の時代の始まりを告げたこの作品。
何でか機会を逸して今まで読んでなかったのよね。
ちょうどいいや、って昨日書店で衝動買いしてしまったんだけど。
あ~なるほど。
こりゃあ救いはないわ。
結局絶望だわ。
ここまでクズで偏執でもったいない青春もないわ。
この「どこへもいけない感」に窒息させられそうなくらい濃密で不穏な空気ちゅうのも、ある意味快感だったりするけども。
暴力、死体、変態、ヤクザ、閉ざされた思考、バイト、美少女、遺棄、拉致監禁、夜のバケモノ、セックス、スーパーヒーローへの憧憬。
時代の空気と容易く読み解くべき?

とか読みつつ傍らでビーフシチューを煮込んでたりするイヴ。
いつものように濃くてまろやかになるはずもなく、オレの作る料理は決まって酸っぱい。
すっぱいんだよなぁ~。
砂糖入れちゃろうか?
黒糖とメープルシロップがあったから少々投入。
にしてもまだスッパイ。
酸っぱいことは身体に悪いわけじゃない。
抗酸化的にアレでしょ?
明日も元気で過ごしましょう的に、ね。
(失敗をあくまでも否定し肯定的に捉えるオレの思考術は、反省しないという点において圧倒的に人生を失敗している。けどな。)


今夜の一曲


Youth Lagoon - July (Music Video)

そろそろ恒例のオレアワード2011を決めなあかんな。
今年もよく聴いた。
よく買った。
中でもこれはかなりの上位かも。
内省的で自虐的で繊細で狂っている、のが好き。

さてそろそろすっぱいシチューを食べようか。




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2011年11月04日

ピッピ2巻読んだら眠れなくなってもうた。

おいっす。


生存戦略しましょうか?
え?しない?
しないならしないで別にいいけど。

読んだコレ。

預言者ピッピ2
地下沢中也 「預言者ピッピ2」

1巻発売から4年。
1話発表から12年?
もう続巻はあきらめていた今になってようやく発売。
忘れようとも忘れられない。
かわいさの中に”潜む”というより、絵がカワイイ、もしくは拙い(失礼!)ゆえにストーリーの行く末が恐ろしい。
この表紙を見て誰が想像するだろうか。
この話が人類補完計画とか人類進化の特異点とか、見えるものと見えざるものの境界線上で繰り広げられる世界終末黙示録であることを。
このじわりとくる恐怖感。
見えざるが感じざるを得ないものをそのまま放置すれば、それは霊魂とかオカルトの領域だけど、あえて科学的に解き明かそうとする難産。
科学的にクリアになればなるほど、恐怖の性質はモノノケ的なそれから人間の意識なり性なりといった人としての本質に迫る。
だから怖い。
絵がかわいいからこそ逆に恐ろしい。
見たくもない悪夢をわざわざ見せ付けられているようで。
しかし最後はやっぱり愛だろ?
との希望が根底に流れているからこそ読み続けられる。
その対象がサルでもロボットでも。。。

真田の死因。
ギョっとさせられる。
驚かせる演出はほぼ無いにもかかわらず、得体の知れない恐怖に落とされる。
怖いわぁ~。
もう今夜トイレ行けん。。

が、この2巻で傑作間違いなしちゃう?
続きを読まずに死ねるか!


というところで、あまりに怖くて面白かったのでお口直しに今夜の一曲。


Casiokids - Det haster! [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

ちょ、乱暴にも程があるだろ?
相変わらず素晴らしかった2nd。


Casiokids 「Aabenbaringen Over Aaskammen」


ついでにもういっちょバイオレントなやつを。


Mayer Hawthorne - The Walk

撃つったらないわ。
てか、ただの痴話喧嘩。。
こちらの2ndも素晴らしすぎてリピートが止まんねぇ~。
これからの季節的にもマッチしすぎワロタ。


Mayer Hawthorne 「how do you do」



ピッピの3巻はまた数年後だろうか?
comic cue以来の付き合いだから、もちろん何十年であろうと待つ!
でも今日はもう寝る。
(そうしなさい)




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