映画

2012年10月08日

ドギーマギーまどーマギー。

おいっす。

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魔法少女まどか☆マギカ。
前編がついに公開されたわけですが、もう観に行かれましたか?
え?まだ観てない? 
観る気もさらさらない??
ってか、「魔法少女」ってどのオッサンが口が言ってんだよ??
うっせーよ!ハゲろ!!
悪いことは言わない。騙されたと思って見に行きたまへ。
キューベエに完璧騙されるから。
いや、違う。
「魔法少女」と冠が付く時点で、美少女アニメとかいう気持ちの悪いカテゴライズの時点で、まあ大方の予想では年端もいかない少女が魔法の力でカラフルなコスチュームのヒロインに変身して悪と戦うとか、でもたまにはドジっ娘ぷりを炸裂させちゃって見てるほうがハラハラな展開になったり、荒唐無稽な必殺技に既視感アリアリで鼻白んでみたり、そこに淡い恋愛模様なんてものも織り込まれてていっそう激しくどーでもいいなーと思っちゃったりしていませんか?そんな予想しちゃうでしょ?
ところがどっこい。
この魔法少女、そんなヤワな勧善懲悪美少女アクションアニメではありません。
冒頭一瞬そう思わせるけれども、例のパックンチョ(首チョンパ)でそのパステルピンクな世界は崩壊。
そのあとはなし崩し的に、やれ幸福の対価だの、契約だの、偏執的な執念だの、肉体のゾンビ化だの、価値観の圧倒的な差異だの、魔法少女の行く末は必ず不幸とか、もう見るも無残な絶望のオンパレード。
よくもここまで痛めつけられるものだと、驚く以前に唖然とする。
そんなデストピアがこのキャラ絵で展開されるという悲劇。
というかそのギャップ。
で萌え。
前編はまさにその絶望が具現化したその瞬間まで、ということで後味のすこぶる悪いもの、ちゅうかワナワナと脚に力が入らなくなるような衝撃で席を立てない状態、といところでおしまい。
続きはまた来週の後編へ。

TV版を観た人にとっては新鮮味はあまりないダイジェストですが、背景を中心に作画はかなり緻密になっています。スケール感もアップ。
ストーリーは変わらずとももう一度絶望したい!この出口の無さこそ現実の写し鏡だ!奇跡に頼らない、理論武装されたエンディングのカタルシスに今一度浸りたい!とにかくほむほむ!な貴兄は是が非でも観に行くべし。

なんなんだろうね。
何がここまで人を惹きつけるんだろうね。
人に聞かれると口にするのも恥ずかしい「魔法少女」なんてタイトルなのに。
気合十分で公開2日目に劇場へ足を運んだりする。
そんなまどマギフリークスが全国には何万人といるであろうことは、ローソンのキャンペーンの頻度を見るまでもなく明らかではあるけれど、やっぱそれは都会の話でしょ?こんな地方都市に美少女アニメを、しかもTVとストーリーが違わない映画版に、わざわざ映画館に観に行く好き者もそれほど多くはないのでは?とたかをくくっていたんだけれど。
開場10分前の売店には長蛇の列。(ちなみにレイトショー)
スクリーンに入っても満席とは行かずとも8部入りの大入り。
こりゃタマゲタ。
皆どんだけ好き者なんじゃい。
普段はおうちのPC前から離れないような魔法使いな方から、ぽっちゃりメガネな腐女子系、まじめに地味そうなカップル、ならまだしも、耳ピアスなモード系シャレオツ男なんかもいたりして、今や人気はオタクのみにあらずな印象。
(ん、オタクがおしゃれになっただけとも言えるが。)
さすが社会現象になっただけのことはある作品です。

とは言えオレもひとりで観に行く勇気はなかったので、会社のアニメ好きな後輩に声をかけたところ、「あ、その日は徳島へ行くんで、ちょっとキビシイですね。」の返答。
ほう、徳島。徳島ねぇ。
…はっ!もしかして、もしかすると、あの徳島?!
マチ★アソビ絶賛開催中の徳島ってか!!
う、裏山。
オレも眉山登りたい。。
最近のオタクはアレだ、行動力があるね。そして資金も潤沢だ。
普段の生活は質素そのもので人付き合いも少ないから不要不急の出費も少ない。
となると自分の趣味の世界に投入できる資金は潤沢にあるって寸法だ。
(ただし独身に限る)
ここに目をつけて、しかもそれを地方都市の町おこしイベントとして活用している徳島。
なんて恐ろしい子。
聞くところによるとどうも盛況らしいじゃないか。
今回も声優とか監督とか来るんでしょ?
なに?虚淵玄が来ると!?(うろぶちげんはまどマギの脚本家です)
ちょ、おまえ、ちょ、それ、虚淵玄のサインもろうてきて。
それからマチ★アソビの写真も多数撮れ。
それをレポートにまとめて提出しろってんだ!
そして来週末にその詳しい話を聞こうじゃないか。
まどマギ後編の前後にでも。
な、そういうことで、だな、いいだろ、いいよね。ハイ決定。

ま、ただ単純に、ひとりで美少女アニメ映画を夜中に観に行くような寂しい中年と周りから思われたくないからの処置だけどね。
ひとりでまどマギオリジナル絵柄のポップコーンとドリンクのコンボセットを手に持って歩くのは、まだ、もうちょっと勇気が足りないから…ポッ。



劇場版 魔法少女まどか☆マギカ TVスポット第1弾, 第2弾 15秒

◆劇場版 魔法少女まどか☆マギカ

◆マチ★アソビ vol.9 2012.09.22~10.8開催



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2012年06月03日

クリエイション・レコーズのファン必見「アップサイド・ダウン」感想文。

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アップサイド・ダウン:クリエイション・レコーズ・ストーリー【エクスターミネイテッド・エディション】DVD2枚組


おいっす。

クリエーション・レコーズとはオレにとって一体何だったのか?
ひとつの答えがここにあります。
アラン・マッギーやノエル・ギャラガー、ボビー・ギレスピーなどのインタビューと当時の記録映像を交えて、ほぼ全編でクリエイションの楽曲が垂れ流されているドキュメンタリー映画。

オレにとってのクリエイションと言えば、プライマル・スクリームでありマイブラであり、そしてビフバンであったような気がします。
最初の出会いも、今や何だったか定かではないのですが、おそらく1988年か89年くらいのときだったように記憶しています。
あ?エレヴェイションが先か?いや遡ったんだっけ?
(それよりもジーザス・アンド・メリーチェインのUpside Downがずっと前ですが、その当時はクリエイションとかレーベルとか全くわかっていないガキンチョだったのでカウントしません。)

洋楽を聴き始めたのは当時深夜にテレビで放送されていた小林克也のベストヒットUSAやピーター・バラカンのポッパーズMTVなどに接したことが大きかったです。
時は第2次ブリティッシュ・インヴェイションの只中。
テレビに映るデュラン・デュランやカルチャークラブ、ハワード・ジョーンズなどのニュー・ロマンティック系のルックスの格好良さ、ビデオの斬新さに、日本のど田舎に住む当時小~中学生だったオレは度肝を抜かれました。
そこを間口に洋楽にどっぷりはまっていき、中学を卒業するころにはアズティック・カメラ、スミス、エコバニ、キュアーなんかを買うようになっていました。
中学まではラジカセしか持っておらず、高校の入学祝いとしてコンポを買ってもらいました。レコードプレーヤー、カセットデッキ、チューナー、イコライザー、アンプがセットになったケンウッドでした。
今でも憶えているのが、そのステレオを設置しに来てくれた電気屋(デオデオ?当時はダイイチ)の人にセッティング終わりに確認したいということで何かレコードはないか?と聞かれたことです。
その時手元にあったのがスミスのミート・イズ・マーダーでした。
(家が裕福な友達の家にはステレオセットがすでにあったので、そこでテープにダビングさせてもらって聴いていました)
それを渡し、ターンテーブルに乗せてスイッチオン。
流れてきたのがB面1曲目のハウ・スーン・イズ・ナウ?の痙攣したイントロ…。
電気屋さんもこのうねうねしたイントロがコンポ側の初期不良でそう鳴っているのか、はたまた楽曲自体がそのようなアレンジなのか、判断するのに戸惑いがあったように思います。
結局オレに、「これで大丈夫?」と聞いて来ました。
このハウ・スーン・イズ・ナウ?のイントロがオレの高校生活の幕を開いたと言っても過言ではないでしょう。
(決して楽しくもなく、むしろ灰色の生活でしたが)
それから堰を切ったかのように街に3軒あるレコードショップで怒涛のLP購入、5km離れたところに当時1軒しかなかったレンタルレコード店通いが始まりました。
住んでいる環境的に変化を好まない保守的な場所で、家もどちらかと言えばそのような空気があったので、とにかく新しもの、刺激的なものへのあこがれが強くなっていった気がします。
ミュージックライフ、ミュージックマガジン、フールズメイト、宝島など、メインストリームからインディーズまで隈なくチェックして、ビリビリきたものを購入する。
お小遣いなんて微々たるものでしたので、買えるLPなんて月に1枚か2枚。それでもすべてそこに投入していました。
大学に入り、家を出て、広島に住むようになりました。
大学の側には田舎ではお目にかかったことのないような多くの種類のレコードをレンタルしている店がありました。
もちろんすぐに虜となり、食費を削ってでも毎週のように3~4枚レンタルを続けました。
時代はレコードからCDとなり、バイトしてCDプレーヤーを購入しました。
そして広島の街へ出ては輸入盤屋さんで米英インディ系のCDやLPを買い漁っていました。
大学在学中に広島にタワレコがオープンしましたが、それまでは雑居ビルの2階か3階にある小さなショップがお気に入りでした。(雰囲気的には今のジムレコみたいな感じ。もっとも店主の愛想は決して良くなかったけど、時にオススメを教えてもらいました。→Mekonsとか)
アフォみたいに音源を貪り、愛読していたフールズメイトもMIXを経てREMIXに生まれ変わりました。
このときの衝撃も忘れられません。
ギターとベースとドラムこそロックであり、自分の心を震わせる音楽だと思い込んでいたのが、すべて根底から覆された気がしました。
ハウスミュージックとの出会いで。
そこからハウスを狂ったように聴き始めます。
4つ打ちこそ新たなロックンロールだ、と感じてその筋に精通している友人からタイニーパンクスやいとうせいこう、アフリカ・バンバータなどを借りて、同時にトライブクエスト、デ・ラ・ソウルなどのHipHopへも流れました。
そこを経由しつつ好きなHipHop系アーチストのサンプリングネタがジャズだと知り、モダンジャズを漁るようになりました。
その後クラブジャズ~アンビエント~ソウル系をひと通り回遊してからのロックへの帰還。
ロック空白期間は何年あったのでしょうか?
ロックをあまり聴かなくなったのはいつからだったのでしょうか?

と前置きもこのくらいにして、(いつもながらに壮大過ぎるプレリュードだっつーの)そういうわけなので、クリエイションと言えども、スクリーマデリカ以降の流れは全くわかりません。
未だにオアシスの凄さもわかっていません。
オレの中ではオアシスもブラーもスエードも一緒くたです。「若いな」としか思っていません。
世の30代の中にはオアシスこそ全てだと感じている人も多いようですが、すみません、音楽好き、インディ好きを自称していながらオレはそこをまったく避けて生きています。
だからこの映画でもネオアコから始まってギターロック、セカンド・サマー・オブ・ラヴ後のレイヴサウンドまでの流れには感慨深いものがありました。
しかしオアシス以降は、なんのこっちゃです。
ブー・ラドリーズ?シュガー?スーパー・ファーリー・アニマルズ??
名前こそ聞いたことはありますが、音は記憶に無いです。

アラン・マッギーのビフバンはほぼすべてCDで購入しました。サッド・アイド・ガールズ以降はリアルタイムで。
プライマルはエレヴェイションの1st、IvyIvyIvyの2nd、スクリーマデリカまで。
ハウス・オブ・ラヴ、ジャスミン・ミンクス、フェルト、ニッキー・サドゥン、ロフト、ウェザープロフェッツ、パステルズ、テェーンエイジ・ファンクラブ、ライド、スロウダイヴ、スワーヴドライバー、ライラック・タイムも買った気がします。
レーベル的にはクリエイションは大きくなりすぎて、そこに特徴的なカラーが薄くなっていったように思えます。
だから初期の繊細でナイーヴな音を好む人はelやサラに流れていったように思えます。
多分にもれずオレもそうして離れていった一人です。
ハウス、レイブカルチャーとの蜜月も、ローデッドはまだ理解できたのですが、期待したハイヤー・ザン・ザ・サンがあれ?と感じて乗りきれず、それならもっとボトムが太いほうがよりロックだぜ、思いました。
マイブラとはいわくつきの編集盤エクスタシー・アンド・ワインとイズント・エニシング同時購入が初邂逅です。
ギターロック然とした前者に比べてイズントは、今にも空中分解しそうな危ういアレンジの中をたゆたう幽玄のメロディが衝撃的で、新しいサムシンを感じずにはいられませんでした。
そして問題作のLoveless。
もはやこれはロックでもないし、レイヴでもない、とんでもない化物でした。
化物過ぎて当時のオレはこれまたピンとこず、(そりゃパブリック・エネミーとかコルトレーンとかに夢中になりつつあったのだから仕方ないか)ロックへの興味が急速に衰え始めているのを自覚しました。

アラン・マッギーという人がここまで破天荒な人だとは気づきませんでした。
この映画を観るまで。
だってビフバンで奏でられる音楽はどれも美しく、後期はより繊細になっていったものですから。
その音楽性とドラッグ中毒として緊急入院する人間性が一致しているとは思えず。
ただ、新しい音楽への感受性の鋭さはなるほどクリエイションだと思いました。
収益度外視、好きだからOK、そのノリでレーベル運営が続くわけもなく、アランの個人的な嗜好から始まったパーティも2000年に終わりを告げました。
アランという人は、時代の先を読むとか時代を作ることに興味はなく、ただ単純に自分にとって興味深いかどうかで契約するアーチストを決めます。
だからこそ、主体的な価値観がそこには存在し、どこにあるのかわからないような時代の空気を一生懸命に追い求めるオレの価値観とは、一部において一致することはあれど、全面的に理解できる人なんてこの世にはいないのでしょう。
その意味でレーベルオーナーと言うよりは、いちアーチストであったような気がします。

ま、亡くなる前にこのような半生を綴ったドキュメンタリーが作られるって、正直、シアワセな人だなと。
今に違和感を持つ→先鋭的なもの、メインストリームではないものに興味を持つ→行動する→自分の感性に忠実に→成功する→ドラッグに溺れる→時代にマッチしてさらに成功する→さらにドラッグ漬け→毎日がパーティータイム→中毒→病院送り→何かを悟る→事業としての失敗→仙人のように達観、の流れ。
まだ達観には早いか?

クリエイションを知らずともインディ・ロックが好きな人は観てもいい映画かも。
当時をリアルタイムで生きた人にとっては、内実に触れられて新しい発見もあるかも。
オレも買って損はしていない。



映画『アップサイド・ダウン』予告編

見終わって感動するとか、ドキュメンタリーならではの泣かせる演出なんて皆無。
ただグチャグチャ~っと時代が進むのに任せたような映画。
だからこそ信頼できる。

◆UPSIDE DOWN | 映画『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』公式




なんだか中学生が書く読書感想文みたいになっちゃった。
久々に物を書くとアレだな。うん。



epicurean_egoist at 14:25|PermalinkComments(7)TrackBack(0)

2011年09月25日

”LOVE ME TENGA”Teeがぜったい欲しくなる映画「モテキ」。(TENGAの意味を知らないならばあえて調べない方が良い。)

おいっす。


mm
ミスターTENGA

ちゃうちゃう!「モテキ」。
いえ、この画像でモテキっちゅうのも変ですが、

藤くんのダメっぷりときたら!

この写真の藤くん@森山未來はニューシャネルTee着とる。
オレも持ってる。
映画じゃこの白色バージョン着てた。
この前親戚のおばちゃんに森山未來に似てるって言われて気を良くしたオレですが、今日(日付的には昨夜)はモテキ劇場版を観に行って来ましたよ。
(うちの奥さんから言わせると桂小枝の方が似ているらしいけれど…。目があれだ、腐ってんじゃね?)


mtk
「モテキ」

もうね、ホントにね、藤くんは相変わらずダメダメなんだけどね、もうね、見てられないの。

イタくて。

痛いよなぁ~。ダメダメンズ的には藤くんの気持ちがよくわかりすぎるくらいにわかるよなぁ。
っていうか、とにかくイタい台詞が多いのこの映画。
あ~も~ネタバレ的に書いちゃうけども、

麻生さん演じるるみ子の幸生にすがり泣きながら「Youtubeで神聖かまってちゃん見るからぁあああ」とか長澤まさみ演じるみゆきにボソッと言われる「あなたじゃ成長できないの」とか、ホント芯に迫りすぎて、オレの痛いところちゅうか過去の暗い部分にズバッと突き刺さるようで、観ていてつらい。。。

キッツイっすわじっさい!
(あ、いちおうネタバレはあれなんで白文字にしたっす。読みたい人は反転してみて。自己責任で。)

それでも、まぁここまで赤裸々に否モテBoysの心情を描いて、それを周りがどのように見ているかを客観的に知らせてくれるありがたい映画もないわな。

ももクロのライブ映像をYoutubeで見てやる気になって飛び出す瞬間に背後から真木よう子演じる素子にとび蹴り食らわせられて「アイドルの歌なんてそういう風にできているんだよ!」的な罵声を浴びせられるところなんざ、まぁご指摘いただいた通りの直情的な行動ですわ。いい歳して相手の気持ちも考えずに自己満足のためだけにとっぴな行動をする自分に自戒の念を抱かせますわ。

(ネタバレ?白色ですよ当然。)

ま、それだけでも凄い映画なのですが、歌って踊るミュージカル的要素もありまして、もちろん行き過ぎたダメっぷりに爆笑するところとかもありまして、それはそれは楽しい映画ですよ。
一番素晴らしいのが、ストーリーにジャストにフィットする曲のチョイス。
90'sから最新に至るまでの、メインストリートから少し離れた(言うなればサブカルな)JロックやJポップスの選曲の妙!
いちいちあえて今さら言うまでもないんですが、SDP、大江千里、岡村ちゃん、TM NETWORK、Fishmans、ACO、ジュディマリ、くるりからPerfume、在日ファンク、女王蜂、N'夙川BOYSとか、監督の思いが詰め込まれた選曲のセンスには脱帽させられます。
ええところでええ歌詞が出てくるの!
その際たるものが、ドラマ版同様の大江千里の”格好悪いふられ方”だったり橘いずみの”失格”だったり。
特に”失格”の歌詞なんてあけっぴろげすぎるというか、身も蓋もないちゅうか、それを言っちゃおしまいさ、何も言い訳できません的な歌詞で、放たれた言葉のすべてが自分の心のやわらかいところに命中し、さらに血肉をえぐり出すような必殺のアジテーションだから、ジャストに効き過ぎて失神してまいそう。
見たくもない自分の弱くて汚い心を白日の下にさらけ出される気分。
しにたいしにたいしにたいしにたいし…って藤くんが呪文のように唱える気持ちもわかりすぎるくらいわかる。
オレ的には、あるある、あるよねぇ~こんなとき、って肯定する一瞬前に全否定したい気持ち。
うっせーよ!なにがわかってんだよ!オレだって一生懸命生きてんだ!それをジッパヒトカラゲにしてJポップに乗せて歌うなよ!みたいな。
そんな選曲。
こりゃスゲーな。こんなの今までなかった。

とにかく80~90'sサブカル男子(一部の女子)にはズバッとストライクで、斜に構えてどうせ映画だろ?ドラマだろ?脚色された理想の男女が恋に落ちるとか落ちないとかの駆け引きを描くフィクションだろ?との先入観を持っているネイティヴアダルトチルドレンでも、騙されたと思って観てみたら?
ある意味、

コロされかけるから。

長澤まさみはひと皮剥けたいい演技をしてるね。それほど好きな女優さんじゃなかったけど、これは悪くない。
仲里依紗、真木よう子はいつもどおりの好演。
麻生久美子は…上手いわなぁ~。
今回はちょっと重い女の役柄だけど、そこを重たくなりすぎずにシャレオツに決めるところはこの人の持つ透明感のなせる業だわなぁ。
いい女優さんですよ。ケッコンしてください。(さらっと求婚but人妻)

ドラマ版以上に一途な愛に特化した一点突破を試みるストーリーは藤くんの成長を感じさせる半面、2時間という時間的な制約がある映画として成立させる常套手段にも見えて、賛否両論あるところかもしれません。
そこまでして口説きたい相手か?もう少し考えようよ、とどうしても思えてしまう。
みゆき(長澤まさみ)は魅力的なんですが、趣味も合うし、フィーリングもばっちりなんだけど、んんんんどうも美人過ぎて気後れするような…。
そこんところが突き抜けれていないあたり、オレのほうがコドモかもね。
否モテ男子にとっては夢のような話ですよ。
だってほら、

みゆき、るみ子、愛(仲)とブッチュブチュキスはできるわ、胸も揉み放題だし!
知り合う女の子みんなとキスするなんてどんなエロゲーだよっ!!
しかもオレの麻生さんとXXX!!!ブッコロ


ってな話ですよじっさい。(無論ネタバレ白文字)
ま、この映画を観に来た男子はみんな藤くんと同化している人(しやすい人種)だから、己のことのように嬉しかったりするはずですけどね。



女王蜂 / デスコ


N'夙川ボーイズ - 物語はちと?不安定

主題歌と裏主題歌。
ひっさびさにJロック聴いたわ。
良いね。熱いね。

根っからのサブカル男子のオレとしては藤くんの着ているTeeとか、散らかり放題の自室のマンガとか本とかポスターとかにばかり目が行ってしまう。
まりんのTeeとか岡崎のリバーズエッジとかコーネリのファンタズマとか。
そのあたりのサンプリングのリアルさが半端ないところもこの映画の素晴らしさ。
もちろん、仲里依紗のパイ乙と長澤まさみの脚も素晴らしすぎますよ!
必見。
ってか2回は観ても良い。
なんならDVD買うレベル。
なんならTENGAも5,6個買うかもしれん。(んなアフォな)


◆大ヒット上映中!映画『モテキ』公式サイト




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2011年09月17日

気の抜けたバーボンソーダとももクロ&シャフト厨。

おいっす。


今夜もバーボンソーダで乾杯 

先週の残りじゃねえか!

そうさ、そうそう毎晩飲めたもんじゃないからね。

毎晩冷酒はたらふく飲んでるくせによ。

日本人なら日本酒だろ。

ラモス乙。それもう炭酸抜けてんじゃね?

正確に言うとバーボンソーダwithout炭酸だね。

ならもう水割りじゃねえか!カッコつけんな。ただバーボンソーダって言ってみたいだけなんだろ?

あのころの僕はカルアミルク、飲ぉめばあかくなってたっよぉねぇええ~今なら仲間とバーボンソーダ飲める、けれど、ほんとぅはおいしいいとおもえなあぁあいぃい。

おいしくねぇのかよっ!つーか、岡村ちゃん歌いたいだけじゃねえか!!

…だっふんだ。


そんな土曜日の夜です。
それぞれ思い思いのSDNをフィーヴァーしていることと存じます。
オレも久々にゆっくりとひとりの時間を満喫…あ、いつもひとりか。。
ま、最近は少し勝手が変わったのでそうでもないのですけど。
基本ひとり遊びが好きなのは変わりがありません。
今日もまぁ雨模様ですし…、あ、雨模様って雨が降ってない状態を意味するんだっけ?ニホンゴムッズカシーデ-スネー。雨降りですし、おうちでひとりまどマギの研究やらモテキの予習復習やらももクロZの調査を行っていたわけですが、やっぱ圧倒的にZが付くとオタク心をくすぐられるというか、ももいろクローバーというネーミングでは乱発する他のアイドルグループとの差別化が難しいわけで、そこに男気あふれるアニキ臭漂うZを装着した時点である意味頭ひとつ抜け出た気もするわけで、ま、主要メンバーの脱退から気分一新って意味合いが強いのでしょうが、マイナスにすることなく前向きってところが、なんだか元気づけられている気がして、ま、10代のアイドルグループに元気づけられているようでは自分がちっとも前向きじゃない気もするのですが、そこは見て見ぬ振りをしつつ軽やかにスルーする技術は小さな大人や大きなオトモダチとしてはデフォルトで備えていなきゃ屍のように明日を生きられません。
サブカル系の人たちがこぞってももクロを推すのはなぜでしょうか?
少女+ひたむきさ+汗と涙+情熱+キャラ立ち+圧倒的なライブパフォーマンス?
裏がないようにみえる真面目さ?
というよりプロデュース力が大きいのではないでしょうか。
かわいいかわいい路線を捨ててガニマタでアクロバティックに踊るとてつもない運動量のダンスの振り付けしかり、奇をてらったPVでのお笑い路線しかり。
それを色物ではなく真面目に演じる素材の無垢さに感動するのでしょうか。
つーか、大メジャーであるAKB系へのアンチとしての位置付けも重要な視点でしょう。
とか、にわかアイドル評論家ぶってみた。
キモい?
いや、ぜっぜんキモくないっ!!
つーかアリ/ナシで言えばアリでモン/シロで言えば当然シロだっしょ。(は?)

で、シャフトです。
まどマギの大成功に気を良くしてか、荒川と電波女はなかったことにしたいのか、化物語の前話ともいうべき傷物語が映画化されるそうです。
西尾維新による小説も本屋で平積みになっていますが、あの映像がないと魅力も半減すると感じるシャフト厨には願ってもない朗報ですね。
トレーラーが公開されています。


「傷物語」 予告PV第一弾 (公式配信版)

アララララララギさんが大変そうなのは存分に理解した。

それと同時に来年の1月から偽物語がアニメ化されるそうです。
こちらも期待です。


「偽物語」 預告PV第一彈

萌えアニメとか本当にどうでもよくて、シニカルな視点とか裏読みできる設定とかにほくそ笑む、そんな元サブカル界の住人もこれとモテキ劇場版だけはチェックしておいても損はなかろうに。




カジくんによる格好悪いふられ方カバー。
モテキ3連発CDももれなく購入決定だわ。

そんなサタデーナイツ。
グラスはバーボンソーダからロックへと。。。
以上酔っぱらいエントリーでした。お目汚し御勘弁の程を。




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2011年09月11日

鑑賞後の煙草と酒がやたら美味い「探偵はBARにいる」を観た。

おいっす。


朝っぱらから更新。

tantei
「探偵はBARにいる」

昨日の夜にこれを観に行ってきました。
金曜土曜と大泉がよくTVに出てるなと思うたら映画の宣伝だったわけね。
主役だもんな、おおいずみにょう。
北海道のローカルスターが銀幕のスターになったのね。
大泉ファンは必見でしょう。

大泉ちゅったら、ま、暴言スレスレの激しいツッコミが特徴の「お笑いの人」ってところにカテゴライズされがちだけど、今回の洋ちゃんはちょっと違う。
ハードボイルドな探偵て役どころ。
三枚目のズッコケ探偵でしょ?って思うわな。
それが少し違うんですよ。
そりゃあ少しはオモロイところもありますが、バイオレンスとアクションとウィスキーとタバコが似合う硬派な探偵さんなんですよ。
もう硬派過ぎちゃって、ときどきおおいずみにょうの顔が格好良く見えてくるってんだからw
あ、笑うところじゃないか。

札幌はススキノのBARに棲息する探偵。
ハードボイルドの典型としての記号はあちこちに散りばめられています。
ハメットやチャンドラーの世界。
酒場、女、マフィア(やくざ)、ボロ車、どんな依頼でも引き受ける…。
ハードボイルドっていうたらトレンチコートでしょ。
寒風を避けて人目を避けるように襟を立てて場末の裏路地を歩く姿が絵になります。
これがアロハシャツで笑顔でハローハローじゃ硬派感も台無し。
なので舞台は北国。
ちっちゃな港町とか山村では誰でも顔見知りで事件なんて金田一さんを呼べばよしわかった!って手を打っている間に解決しそうなので、もう少し鬼も蛇もいる都会が良いな。
ってところで大都市札幌。
西部開拓時代の影響が色濃く残るアメリカンハードボイルドと近似値の日本で開拓ちゃあ北海道でしょ、ってのもミソ。
ケータイとかパソコンとか4WD車とか、そんな便利グッズを駆使してたら味わいも何もあったもんじゃない。
連絡を取るときは行きつけのBARに電話して。夜ならたいていそこにいるから。
そのBARの電話器はもちろん黒電話。
調べるときは足で調べる。
実際に見て聞いて人と話をして調査する。
車なんて持ってないから、やる気のない助手のボロ車を使う。
依頼人の秘密は厳守。身の安全も保障する。
流れる音楽はJAZZ、そしてブルース。

現代日本であの頃のアメリカンハードボイルを演出するのは無理があるんじゃね?
もやはそこは札幌じゃなくて時間の止まった架空の街なんじゃね?
まさに。
だけどそれをゴリ押してまでもこだわったところにこの映画の面白さはある気がします。
オマージュ?コピー?んんんメタか。
21世紀の現代的な記号はほとんど見られませんが、古き良き時代に思いを馳せたい人にとっては久々に硬派な探偵映画なのではないでしょうか。

そこでおおいずみにょうだ。
ハードボイルドの主人公にだ。
この違和感こそメタと呼ぶべき要因たらしめているところ。
北海道が生んだスターですから、ご当地映画の主役を張っても不思議じゃないけども、硬派な武闘派には見えんわ。
依頼人の秘密をべっらべらしゃべってしまいそうだし。
しかも奴は酒がそれほど強くないだろ?
役者にしてはペラすぎる。
その昔、永瀬正敏が「探偵 濱マイク」で演じたのは架空の街のサブカル探偵だったので、彼のパーソナリティ的にも合致していたけど、おおいずみにょうが探偵とは。
そこの違和感。
この映画のオモロイところ、ちゅうか肝はそこなんじゃないか、と。
マジな顔して事件を探る次の瞬間に毒舌ツッコミで笑かすんじゃなかろうかと。
いつ出るかいつ出るか、こっちは笑う準備はできてるぞ、と。
なのにいっこうに笑いにシフトしてこない。
このじれったさ。
このモヤモヤ感。
あれれ?と感じている間にストーリーは複雑に絡み合って、キレたヤクザは出てくるし、残酷な処刑シーンも出てくるし、オセロのように白が黒になり…また白に。。。
どんどんストーリーに吸い込まれていく。
それでもどうしてもおおいずみにょうの顔がアップで映るたびにちょっと現実に引き戻されちゃう。
その点において彼のキャスティングはミスなのかもしれないけれど、どこか覚めた目線で、客観的に安心して観ていられる(謎解きができる)点では大成功。
ド硬派な役者じゃストレートすぎてオモロもなんもないからね。
ハードボイルド映画の枠組みをよりいっそう明確にしてくれる存在として、ツッコミ笑いのおおいずみにょうっていう役者を使ったのであれば、なかなかオモロイ仕掛けやないの?

観客の年齢層は高め。
初老の夫婦率高め。
ハードボイルド好きのおじ様と大泉ファンのおば様か?
前半はちょいちょい笑いを入れてあったからおば様方も声を出して笑っていたけど、後半に近づくにつれて増える残虐なシーンでは逆に声を出して驚いていたな。「まぁ~!」「痛たた」「ひゃあ!」。
バラエティの洋ちゃんファンにはちょっと刺激が強かったかな?

役者陣では松田龍平、高島政伸が出色。
あとも間違いない演技派が勢ぞろい。
洋ちゃんシーンになると、ああ無理してるな、今のはちょっと格好つけすぎじゃね?演技が大味でわかりやすすぎるんだよ、ここでツッコミだろ、とどうでしょう的な方向で客観視しているけど、他の役者さんが絡んでくるとすぐさまストーリーに引き戻されてしまう。
この行きつ戻りつを楽しめるかどうか、そこにこの映画の面白さは確実にある。気がします。
いや、原作や脚本は素晴らしくええけどね。

観ている間中、おそろしく煙草が吸いたくなり、ウィスキーをストレートで飲みたくなる映画。
その反動で帰りにコンビニで久々にバーボン買ったわ。
氷とソーダと、なぜかしらおでんも。。。
よしバーボンをあおりつつモクモク煙で夜中に更新してやろうじゃないの、まだ映画の余韻が残っているうちに、とか意気込んでPCに向かったものの気付けば気絶。
ご無沙汰バーボンに瞬殺られてもうたね。

 

映画『探偵はBARにいる』予告編

◆映画「探偵はBARにいる」2011.09.10 ROADSHOW【出演】大泉洋 松田 龍平


シリーズ化されるのか?
だとしたらたぶん次も観に行くでしょう。



epicurean_egoist at 09:00|PermalinkComments(5)TrackBack(0)