アーキテクチャ

2012年03月18日

新・尾道探訪。

おいっす。


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つーわけで今日は尾道に行ってまりました。
どーいうわけ?
か知らねぇけども、突然に尾道だっつーの。
雨だけど。
駅前はバスだらけだけど。

まじまじと尾道を見て歩くというのも久々で、未だに尾道の本当の姿というモノを見た気がしないわけですが、今日は少しだけその魅力の一端に触れた気がしました。
それは観光的な目線とか、被写体としてのポテンシャルとかではなく、やっぱりどこかビジネス的な視線が加味されての魅力ですが。
古いものと新しいものが調和、というと使い古された言い回しで、かえって胡散臭くなるのですが、海と山と、海産物と果実と寺院と個人商店が渾然一体となったコンパクトな観光地として、商業地としての魅力はなかなか他では味わえない濃さなのかな、と。
古いものを生かして新しい試みをする。
その場としての力が凝縮されている気がしました。

では写真です。

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狙ったとしか思えない近代建築と日本様式のコラボ。
駅前にフツーに存在します。


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おやつとやまねこ。
おやつ”の”やまねこではないところがグッときます。
プリンはカラメルではなくレモン果汁でいただきます。


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刀の鞘の装飾を使ったアクセや小物。
本業は包丁やハサミなどの刀剣屋ですが、刃物よりその柄の部分に力を入れているという。
これはクジラの歯ですね。
ダッフルコートのボタンとしても使えるアイテムです。
ちょっと重いけど、一点ものです。
刃物の清春。


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雑貨屋というよりはハーブティ専門店。
というよりはセレッシャル輸入専門店みたい。
事務所兼店舗の内部は人が6人入るのがやっと。
なので入場制限していますw
このハーブティを飲むと普通にスーパーなどで売っているハーブティが薄くて不味く思えてしまうほど濃い。
無論店主の思い入れも熱い。
しかし見かけによらずフランクな一面も。
店内が混雑している(といっても4人しかいないが)ときに入ってこようとするお客に対して「入場制限中」の札をおもむろにかざすスタンスに、濃ゆい思い入れを感じずにはいられない。。ワロタ。


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銭湯跡地のお土産物屋さん。
おなじみですね。


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毛糸屋さんの看板は毛糸でできてます。


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尾道といえばみかん。
因島?大三島?
とにかく果物屋さんが多い印象。
そして安い。


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やまねこカフェで一服。
ガーリーです。客層はすこぶる。
おしゃれなだけだろ?お高くとまってんじゃねえの?こういうカフェは。
と思ったら意外にも美味しいという!(意外って言うな)
そして接客もしっかりしていて好感触。


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やまねこ外観。
雨はすっかり止みまみた。


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雑貨Gajumaru。
こちらも小さなお店。
こういうアンチークでプリティでカントリーな雑貨屋さんて昨今飽和状態ではないかと。
余程の差別化をしないと生存戦略的に厳しいのではないかと。
ここは立地が良いのが武器でもあります。


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ウッドデッキな海岸通り。
海を渡る風はまだ冬の残り香。
春先取りのオレの綿シャツに突き刺さるつーの。


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やまねこカフェなどを率いるいっとくグループの総本山の居酒屋。
駅のすぐ裏にあるのね。


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ご存知れいこう堂。
初めて訪れる誰しもが入り口を開けることを数秒はためらうであろうその独特な雰囲気は、入り口を開けるともっと濃くて鼻血抜けそうになります。
まぁすごいわ。
このくらいのクセの強さがないと尾道では埋没してしまいそうではありますが、それを差し引いても強烈。
プロダクトデザインに囲まれて生活している身にとっては毒気がありすぎて、しかしそれは逆に言えばこちらが毒に侵されているとも言えるわけで。
二階堂和美、畠山美由紀など、れいこう堂ならではのセレクションはシンプルに心を揺さぶります。
今日はバッジとシールを購入。


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喫茶アラブ。
セレブな油田王御用達のしゃれおつスポットです。


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毛糸屋の毛糸に続き、酒屋は酒瓶を埋めてみました。
一個抜けてるのは狙いか、それとも自然落下か。
と考えるとくぐるのにも覚悟が必要です。


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北村商店。
なにやらディープな香りに満ちてる路地裏にやってきました。
商店と言えども誰もいない。
御用の方は裏手のアパートまで?


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薄暗いったらないなぁ。
狭くて人気のない路地の途中にこんなところが。


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三軒家アパートメント。
ああこれは!
この打ち棄てられた廃墟の趣。
そこを再生しようとするアートの力!
流れ流れてついに幻のスポットにたどり着いてしまいました。
来ようと思っても来れない。
(つーか土地勘がないだけ)
何時ぞやにその存在だけは耳にしたことのある「尾道空き家再生プロジェクト」。
そのメッカに今足を一歩踏みれようとしています。
この廃れ感とその中に宿るヤングソウル。
もうこういうの大好き!
恐る恐る歩を進めてみようじゃまいか。。



<to be continued>

次回、黄色いパンティはためく三軒家アパートメントの内部にいよいよ潜入します!
なんじゃこりゃ!?なびっくり空間に度肝を抜かれつつも、どこか懐かしい匂いが鼻孔をくすぐる廃墟リノベの姿をあますところなく(いやほんの一部ですが)お伝えできれば、と。


え?続くの??
続くのです。
ビジネス面から魅力を探るといいつつも、やっぱりNPO的でアートなやつにたどり着くところがいかにもオレ的で安心するね。


今夜の一曲


Hospitality - Friends of Friends


Hospitality 「Hospitality」

この明るさには救われるなぁ。
曇天でも聴けばたちどころに初夏の爽快感。




epicurean_egoist at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年10月03日

芸術祭番外編「小豆島のお酒と言ったら」。

おいっす。


今日は芸術祭番外編です。
せっかくの小旅行ですから、芸術祭関連の場所だけじゃなく、時間に余裕があれば観光地なんかも巡りたいものですね。
というわけでこの前の小豆島一泊二日ツアーの二日目はこんなところに行ってきました。


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森國酒造

小豆島唯一の作り酒屋さんです。
こちらに古民家を再生したギャラリー&カフェがあるのです。
これがなんとも今風というかシャレオツで、お酒が買えるのはもちろん、お店のおばあちゃんの手作りグッズとか、一点物のお皿とかも置いてあり、カフェでは利き酒もできちゃうという素晴らしいところなのです。

芸術祭が開催されている島の西側から少し遠い(とはいえ車で30分くらい)の小豆島町の裏路地に小ぢんまりと存在するので、ここを知っていないとたまたま通りがかりに、とは行きません。
そんな隠れ家的なところも人気のひとつなのでしょう。

きちんと手の入った庭や建物外の調度品。
古民家だけど実に小ざっぱりした気持ちの良い佇まいです。
そして中も古いものと新しいデザインのものが調和していてセンスの感度を刺激させられます。


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枡や酒瓶を横に切って作られたランプシェードが吊り下がった店内は一部吹き抜けとなっており、狭さは感じさせません。
土塀に開けられた丸窓などから外光を取り入れ、またその壁に電灯を当てることにより間接照明として、木の温かみを感じさせる作りです。
カウンターに仕込まれたLED照明も和風家屋に現代風味のエッセンスとしてピリッと効いています。

ギャラリー、ショップ部分も展示の仕方が素晴らしい。
空間を最大限に活かしながら狭さを感じさせないところなんて、ちょっとお目にかかったことのないものでした。



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epicurean_egoist at 21:07|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2009年08月21日

俗世と聖域を隔てる壁(淡路アート紀行の2)。

おいっす。


淡路夢舞台を出て我々が向かった先は・・・



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またもやコンクリの壁

どこぞの美術館?
そんな意匠だわな。
しかしそれじゃ面白くない。
ここはなんと

お寺

なのです。
お寺っちゅうたら木造で瓦葺で線香とおばあちゃんの着物からほのかに漂う樟脳の香りってのが定番だわな。
なのにここにはそんなものは皆無。
あるのはこのコンクリ塀だけ。
中に入ったら本堂がドーンとそびえているのか?
仏像のひとつでもないとお寺ってわけにはいかないだろ?
実際どうなのよ??
(ホントは予備知識バッチリ)

ここは

真言宗本福寺水御堂。

この本堂を鉄筋コンクリートで作っちゃった張本人は、やはり

安藤忠雄その人。

ま、わかるわな。
このファサード(?)見れば。
直島の地中美術館や先ほどの淡路夢舞台と同じ雰囲気があるわな。

では俗界と聖界の境界線である門をくぐり本堂にお参りしましょうか。



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at 20:09|PermalinkComments(1118)

2009年08月16日

ある建築家の夢の舞台(淡路アート紀行の1)。

おいっす。


お盆休み終了。
どこか行きましたか?
高速道路¥1,000の恩恵を存分に享受しましたか?
渋滞の中ご苦労様です。

かく言う私めも昨日は久々にちょっとだけ遠出。
天気はすこぶる中途半端な曇り空でしたが、長い休みにいてもたってもいられず渋滞覚悟のドライビング。
3時間弱掛けて到着したのはこちら。


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コンクリ丸出し的なところ。

ここはいったい??


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思えばコンクリ好きだな、オレ。
建築好きといえば聞こえは良いが実際はコンクリが好きなだけでは?

うん。

否定はしない。
だってここはずーっと前から一度は行ってみたかった夢のステージ。


淡路夢舞台!


淡路島!
明石海峡を渡ってはるばるやってきましたよ!!

天気予報は雨模様だがこちらにはいつもの”神”が付いてるから大丈夫!?

悪天候の女王VS元祖晴れ男(毛が濃い)

の一騎打ちは今回も毛男の勝利。
道中は降っても現地到着時にはピタッと止める。
なんとかこの天が授けた能力を商売に生かせないものか?
と日々思案を繰り返すが、たぶん色気を見せた時点でその能力が消えちゃいそうで心配。
しかもおそらくきっとその能力は他人の役には立たないはず。
だっておそらく彼は

自分以外のことには興味がない

のだから。
潔し!

そんな雨女と晴れ男のサイキックパワーがしのぎ合う波乱の日帰り旅行。

ま、オレは根っからの傍観者だから傍から見て笑うだけだけど、ね。


では数枚写真でも貼っときますね。




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2009年04月27日

すっかり忘れてたNagiMOCA探訪の3。

おいっす。


「つづく」とか言っておきながらまったくいつ再開するのかオレ自身もよくわからない上に、もしかしたらつづかないかもしれないという自分のいい加減さに最近恐怖すら感じるのですが、ふと思い出したので今日は続きを書くことにします。

とはいえ、もうホントは書くことはないし、記憶もおぼろげになっちゃってしまったので、「つづく」なんて言わなきゃ良かったなぁと少し後悔もしています。

ですから、ま、間を取って写真だけ載せてみようかなぁ、と。
(いい加減)


え?何の続きだって?
そりゃあアレですよ。

寝転がる巨大茶筒

ですよ。

天気もすこぶる良かったので館内展示を見終わった後は茶筒の周りをグルグル回りながらフォトシューティング。

の前に、館内の残りの写真をとりあえず。



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入館者ほんと少ないのな。
オレたちの前に一組、後に一組二組ほど。
だからなおさら丹念に鑑賞できるってもんだ。

じっくり作品を堪能した後は建物探訪です。



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こう見ると茶筒というより「鼓」みたい。


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黒い平屋の上に乗せられたキューブは「図書館」らしいです。


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茶筒に最接近。
この中に例の石庭があります。


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真横から見るとこんな感じ。
おおよそ美術館とは想像しにくい円柱です。
が、それならこのオブジェは何なの?と考えてもやはり出てくるところは美術館でしかないような気もします。


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月の部屋の外観です。
明り取り窓から内部が見えます。
覗いたら中の人と目が合ってバツが悪かったです。


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人物と比較するとその巨大さがわかります。




理屈で固められた各作品の配置に何の芸術性があるのかはよくわかりませんが、ここまで論理的なのも珍しく、これはこれでこの美術館の特異性なのだなぁと思います。
ここだけを目当てに遠路はるばる訪れるのはオススメしませんが、どっかに行くついでに立ち寄るだけの価値はあると思いました。
全部丹念に見て周っても1時間程度で大丈夫。
お気軽にどうぞ。



◆Nagi Museum Of Contemporary Art



開館時に併設されたレストランは現在無期限営業休止中みたいでした。
昼は津山のホルモンうどん、午後からNagiMOCAというのがご当地B級グルメ&変なもの見たい人向けの一般的なコースですかね。
(一般的というのには御幣があるかもしれません・・・ね)



おしまい。



at 21:58|PermalinkComments(2)TrackBack(0)